2014年9月17日水曜日

リニューアルしました!!


下馬栄養倶楽部は、リニューアルいたしました。 
5秒後に新サイトへジャンプします。



移動しない場合は、こちらをクリックしてください。
http://www.gebaeiyouclub.com

2013年5月15日水曜日

2013年 ICU国際栄養調査、開始です。

万国旗
 この度、S総合病院NSTでは、ICU国際横断栄養調査に参加します。Canada Queen’s大学Dr.Daren Heylandが中心となり、2年毎に行っているものです。

 ICU入室後48時間以内に人工呼吸を開始し、72時間以上ICUに滞在した成人患者を対象とする、観察研究です。栄養の開始時期や内容などについて、連続20症例、最大で12日間調査します。患者さん個人が特定されることはありません。

 当院は、田舎の中小規模の病院です。オープンICUなので、各科医師が担当される、栄養療法の現状把握は、これまで困難でした。今回の参加を契機に、当院ICUの栄養療法の現状を把握して、全世界の参加施設との比較から、現在の問題点を明らかにするよう努めます。その結果、各科医師・ICUスタッフ・NSTの全体で栄養に対する意識が一層高まることを期待しております。

 今回のエントリーには、世話人の先生から多大なるご支援をいただきました。見知らぬ田舎医者の相談に、気さくにご対応くださり、本当に感謝申し上げます。期間は5月から10月いっぱいで、まだ始まったばかりですが、最後まで完走できるよう頑張ります。

 参加準備期間中には、偶然時を同じくして、Sみた先生がICU栄養プロトコールを地道に作成されており、調査開始日に間に合って完成しました。ICUスタッフも、準備に快く付き合ってくださいました。



各科医師のみなさま、
プロトコールをふるってご利用ください。

「Sみたプロトコールで行くよ」

と言っていただければ、いろいろ自動になります。

では、さまざまなかたに対してですが、宜しくお願い申し上げます。ICU看護師団のご協力は、いわゆる「すし適応」であると承知しております。

ICU国際栄養調査を主催する、Critial Care Nutritionのサイトです。

(文責Ⅰ)

2013年5月14日火曜日

栄養チューブが閉塞したら

 閉塞直後であれば、まずは水道水フラッシュを試みます。2.5~5mlなどの小さいシリンジを用いると、力が伝わりやすいので、大きいシリンジを使うよりも成功する可能性があります。
それでも開通しなければ、胃内留置なら挿入が比較的容易ですので、速やかな交換をお勧めします。

 十二指腸~小腸に留置している場合は、即交換する心意気があれば別ですが、胃に挿入するよりは手間ですので、透視下にガイドワイヤーが通るか試みる手があります。

 筆者は0.032inchのラジフォーカスのガイドワイヤーを使用しています。ベッドサイドで盲目的に行うのは危険と考え、必ず透視下に行ってます。一度突破すれば、続く水道水フラッシュでリカバリーできる可能性があります。

 ほかには、逆にPHを上げるために重曹水でロックする方法も報告されています。どのような方法でも再開通しない場合は…あきらめてチューブを交換しましょう。(文責I)

「酢水ロック」を再考しましょう。メンテナンス編。

チューブのメンテナンス
チューブの開存性を維持するために、水道水によるチューブ内腔の定期的なフラッシュが必要です。


酢水ロックとは


フラッシュ以外に、開存性を維持する工夫の一つとして「酢水ロック」があります。酢酸の抗菌効果によりチューブ内腔の衛生状態を維持する方法です。汚染されたチューブをきれいにする効果はありませんし、すでに閉塞している場合は無効です。

日本静脈経腸栄養学会が2011年に出版した、専門療法士や認定医制度の教科書、「静脈経腸栄養ハンドブック(南江堂、2011年出版)」p189に以下の記載がありました。

 ”投与終了時には閉塞と細菌増殖(特にカビ)を防止するため、少量の白湯で回路をフラッシュする。1日の最後にはチューブ内の殺菌を期待して、10倍希釈の食酢を充填する場合もある。”

具体的には、水道水で十分フラッシュした後に、「市販の食用酢を水道水で10倍程度に希釈したもの」を注入し、クランプします。

重要なのは、酢水を注入する前に、水道水で十分にフラッシュして、栄養剤を洗い出しておくことです。栄養剤が残った状態で酢水ロックを行うと、逆にカード化が生じてしまい、チューブが閉塞する恐れがあります。


最近は、逆にpHを上昇させて、凝固を予防する目的で、1%重曹水をフラッシュや充填に用いて、予防のみならず閉塞にも有効であったという報告があります。

「1%重曹水による経腸栄養チューブ閉塞防止に関する基礎的および臨床的検討」 田渕裕子 大石雅子 辻本貴江ら 静脈経腸栄養 Vol.26 No.4 2011



まとめ 


・半消化態栄養剤使用時はカード化対策が必須。
・チューブ閉塞予防法のひとつに10倍希釈食酢充填がある。
・食酢注入前には水道水で十分フラッシュを。



「やるならば 正しくやりましょ 酢水ロック」


スライド1

スライド2

 (文責I)

「酢水ロック」を再考しましょう。まず、チューブ閉塞の機序。

「横浜市立大学で、栄養チューブの閉塞解除を目的として25%酢酸を注入した患者が死亡した」と、2013年5月1日に報道がありました。

S総合病院では、病棟によって、経鼻栄養チューブの閉塞を予防する目的で、10倍希釈した食酢(酢酸濃度として約0.5%)をチューブ内に充填している場合があります。

報道の件とは、目的・方法が異なりますので、問題はありませんが、この機会に、チューブ閉塞の機序、予防について、現在得られている知見を共有しましょう!!


チューブ閉塞の機序

チューブの閉塞は、薬剤投与による閉塞以外に、栄養剤に含まれている蛋白質のカード(curd)化によっておこります。
カード化は、酸によって蛋白質の構造が変化して、ヨーグルトのように凝集してしまう現象です。牛乳に酢を混ぜて作る、カッテージチーズのイメージです。


howto_milk_01_mainpic

胃腸内にあるチューブ先端は、胃酸や細菌が産生する有機酸類によって酸性となり、栄養剤中の蛋白質が変性凝集します。
いったん先端でカード化が起きると、更に上流側にも凝集が進み、チューブが閉塞してしまいます。



半消化態はカード化注意

栄養剤は窒素源の成分に基づいて成分栄養剤、消化態栄養剤、半消化態栄養剤、濃厚流動食に分類されます。窒素源はそれぞれ、成分栄養剤はアミノ酸、消化態栄養剤はペプチドですが、それ以外は蛋白質です。

経腸栄養で汎用される、半消化態栄養剤は、大豆タンパクや乳タンパクを窒素源としますので、カード化が起きます。一方、成分栄養剤、消化態栄養剤はカード化をきたさないため、チューブは閉塞しにくいとされています。

半消化態栄養剤は、日常的に最も汎用されますので、カード化対策は必須ですネ。


窒素源

●アミノ酸→成分栄養[エレンタール(医薬品)]

吸収良。チューブ閉塞なし。
味悪くフレーバー必要。脂肪が少ない。

●ペプチド→消化態[ペプタメン(食品)、ツインライン(医薬品)]

吸収良。チューブ閉塞なし。味悪く経口不可。

●蛋白質→半消化態[メイバランス等(食品)、エンシュア、ラコール(医薬品)]

消化が必要。カード化有。経口摂取適す。

チューブが閉塞しにくいからといって万能ではないですねぇ。栄養剤は適材適所の選択が必要です。
(文責I)

2013年5月7日火曜日

脂肪乳剤投与速度のおぼえかた

脂肪乳剤の投与速度は、

1時間あたり、体重の半分ml !!

50kgのかたは、25ml/hr

→20%イントラリポス100mlを4時間で投与。

外科代謝栄養学会のときに開催されるNST医師教育セミナーを、2009年に受講した際、井上善文先生がおっしゃってました~。

覚えやすいので助かります。 (文責I)

嚥下食ピラミッド

S総合病院での嚥下食ピラミッドを昨年作成したので、参考までに投稿します 
主な食事形態と嚥下障害の重症度の対応を図式化してます
下部には大まかなカロリー数を記載してます