当院では、脂肪乳剤として、
20%イントラリポス100ml(200kcal)を採用してマス。
末梢静脈栄養の際、手っ取り早く少量で投与エネルギーを増やすことができ、NPC/Nを上昇させるのに貢献します。中心静脈カテーテルからの投与も可能です。
しかし、注意していただきたいことがあります。
感染に弱いという弱点です!!
杉浦伸一先生の「輸液療法のポイント」(ジェフコーポレーション)からの引用です。
脂肪乳剤は、糖加アミノ酸輸液よりもさらに汚染に弱いことに注意すべきである。脂肪乳剤を小児に分割投与したことで、新生児5名が、エンテロバクターなどによる菌血症を発症し、うち2名が死亡した事例がある。
この事例では、24時間以上にわたり、1本の製品から1~20mlを取り出して分割投与していた。分割使用時に注射針とともに汚染菌が混入して増殖し感染源になったと考えられている。
「血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのCDCガイドライン2011年版」では、脂肪乳剤の投与に使用したチューブは、点滴開始から24時間以内に交換するよう勧告しています。
中心静脈カテーテルから投与する際は、フィルターよりも患者さん側の側管から投与し、使用後は、生食でフラッシュ後、脂肪乳剤を流していたラインを破棄してください。